おたふく風邪の予防と治療法は?

先日、姪っ子がおたふく風邪に罹(かか)りまして、所属する合唱部の発表会に出られなくなってワンワン泣き出してしまいました。

おたふく風邪は子供の頃に罹りかりやすく、特に集団生活が始まる保育園や幼稚園で感染することが多いそうです。

ふと、気になったのが大人がおたふく風邪に感染すると重症になるとの噂。

そもそも子供の頃におたふく風邪にかかったの記憶も曖昧で、体内に抗体があるのかどうして確認したらいいかも分かりません。

というわけでおたふく風邪について色々と調べてみました。

そもそもおたふく風邪とは何か?

おたふく風邪の正式名称は「流行性耳下腺炎」といいます。

耳の前下にある唾液腺が腫れることで丸顔のおたふく面のようになるので、おたふく風邪と呼ばれています。

おたふく風邪は一度かかると抗体ができるので、一生に一度しか罹かりません。

おたふく風邪はどうやって感染する?

おたふく風邪は感染症であり、麻疹(ましん)ウィルスの仲間である「ムンプスウィルス」が飛沫感染することでで人から人に移ります。

つまり感染している人との会話やくしゃみ、咳などで空気中に飛散したウイルスを吸い込むことで感染することが多いです。

また、ウイルスが付いたものや感染者との接触による感染も見られます。

また、ムンプスウィルスは非常に感染力が強いのが特徴です。

おたふく風邪の潜伏期間は?

おたふく風邪の潜伏期間は2週間~3週間ほどです。

感染者と接触してから2~3週間後に顔の腫れが現れます。

この間に初期症状として軽い首の痛みと頭痛がする人もいます。

一方、ウィルスに感染しても実際に症状が出る人は6~7割で、目立った症状が出ないで済む人も3割程度います。

症状は?

  • 風邪のような咳、鼻水
  • 発熱
  • 唾液腺の腫れ
    唾液腺の腫れは通常は片側から始まり、1~2日間で両側に拡がります。
    腫れてから耳下腺部の痛みが3日間ほど続き、痛みで食べ物を噛めない・飲み込めない・会話がつらいといった症状が現れます。
    腫れは1週間~10日間ほどで治まってきます。

おたふく風邪が治るのに何日くらいかかる?

おたふく風邪は発症から一週間ほどで腫れが引いて治ると言われます。

感染力が強いので、他の人に移さないように自宅療養する必要があります。

腫れが引けば感染する心配はほぼなくなります。

学校では、2012年から発症後5日後に全身の状態がよければ登校可能となっています。

3日以上の発熱や激しい頭痛、痙攣が起こった場合は合併症を引き起こしている可能性がありますので、早めに医療機関を受診してください。

成人の場合、しびれや熱、頭痛がしばらく続く場合があります。
(3ヶ月続くケースもあるようです)

おたふく風邪の合併症

おたふく風邪は合併症が多いのも特徴です。

髄膜炎脳の周りにある髄膜に炎症が起こります。
頭が割れるような激しい頭痛を伴います。
おたふく風邪の10%くらいに見られます。
脳炎脳そのものが炎症を起こす病気です。
意識がなくなり痙攣を起こす場合があります。
てんかんや発達障害などの後遺症を残すことがります。
おたふく風邪患者の0.2%に起こります。
難聴片耳だけ聞こえにくくなるケースが多いです。
2000人に1人(0.05%)くらい起こると言われています。
膵炎膵炎はタンパク質を溶かす物質が血液中に流れ出る病気です。
激しい腹痛や、嘔吐がある場合は早めに医療機関を受診してください。
放置すると命に関わる腹膜炎を起こす危険があります。

大人がかかると危険なおたふく風邪

成人のおたふく風邪は小児より重症化しやすいのが特徴です。

重症化しやすいとはいえ、一般的に言われているような不妊症になることはまれです。

小児のときに抗体ができなかった場合は、予防接種などで対策することをおすすめします。

精巣炎

15歳以上の男性の約30%が併発します。

睾丸が炎症を起こし、痛みと腫れを伴い、発症します。

多くは片方だけで発症しますが、まれに左右両方の睾丸が大きなダメージを負うと「無精子病」といわれる不妊症の原因となることがあります。

卵巣炎

おたふく風邪の症状と同時に、下腹部に痛みが起こります。

おたふく風邪に感染した成人女性の約7%が卵巣炎を併発します。

大抵は片方の卵巣のみ炎症が起こりますが、たとえ両方の卵巣が重症のダメージを負ってしまっても健全な卵巣が排出されるので、不妊になることはごくまれです。

妊娠・妊娠中のおたふく風邪

妊娠中におたふく風邪に感染すると、流産の危険性が高まるので、注意することが必要です。

子供の頃におたふく風邪にかかっていたか調べる方法

過去におたふく風邪にかかったか覚えていない場合は、病院で抗体検査を受けて調べることができます。

抗体検査は、病院の内科で血液検査により行います。

料金は、おおよそ4,000円ほどです。

健康保険適用外になるので病院によって金額は異なります。

検査は3分ほどで終わりますが、結果が出るまでに2~3週間ほどかかります。

おたふく風邪の治療法は?

おたふく風邪に罹(かか)ってしまった場合は、自宅で療養するか、症状を和らげる治療を行います。

唾液腺が腫れて痛む場合は冷やしたり、痛み止めを服用します。

睾丸炎を起こした場合は、睾丸を冷やします。

市販薬で治せる?

おたふく風の原因であるムンプウィルス自体を殺したり、抑えたりする薬はありません。

おたふく風邪の予防法は?

成人でこれまでおたふく風邪に罹かったことがない方は、予防接種を行うことをおすすめします。

日本では全国的に病院で予防接種が行われています。

予防接種の費用は病院や自治体によっても異なりますが、5,000円~7,000円くらいです。

特に子供を欲している方は不妊のリスクを下げるためにも是非受けてください。

子供の場合、保育園や幼稚園で集団生活が始まってしまうと確実に感染を防ぐことは難しくなるので、早めに予防接種を行うことをおすすめします。

自治体によっては公費助成制度があり助成金を出してもらえるところもあります。

まとめ

というわけで、おたふく風邪の主な症状や、予防法、治療法などを紹介しました。

思っていたよりも不妊を引き起こす危険性は低いとのことでホッとしましたが、

意外と様々な合併症を引き起こす病気なので、症状が重い場合は早めに医療機関を受診してくださいね。

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