病気で長時間寝た切りでいた場合、回復した直後は疲労感や体力の減退を感じる方が多いと思います。
そんな病み上がりの状態から、日常生活に元気に復帰するための回復系食材を紹介します。
風邪の治りかけは「おかゆ」や「うどん」など出来る限り胃腸に負担のかからない食事をとりましょう。
特に夏風邪では胃腸炎を伴うことが多いので、回復直後は胃腸が弱っていることが考えられます。
それから、病気のあいだ食欲がなくて十分な栄養を摂れなかった場合は、ビタミンやミネラルが不足しがちなので補給が必要です。
栄養があり、すぐ消化できるものを食べることで、胃に負担がかからず、体の回復にもつながります。
以下、風邪の治りかけに良いとされる食材をおすすめ順に紹介します。
風邪の治りかけに良い食材
春菊(一番おすすめ)
春菊は昔から「食べるかぜ薬」と言われるほど、風邪に良いとされる食材です。
春菊の独特の香りの素はαピネンとベンツアルデイドといわれる栄養素です。
αピネンとベンツアルデイドは、自律神経にはたらきかけて痰や咳を鎮めたり、胃腸の調子を整えて食欲増進をサポートしたり、精神をリラックスさせてくれます。
また、春菊にはβ-カロテンが豊富に含まれています。
含有量はほうれん草や小松菜、ケールを上回るほどです。
β-カロテンは、体内でビタミンAに換わり、のどや肺など呼吸器官を守ったり、粘膜や皮膚を健康に保ってくれます。
また、ビタミンA、B群、E、葉酸、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄など食生活で不足しがちな栄養も含んでいます。
風邪の症状を抑え、不足した栄養素を補ってくれる病み上がりに最適な食材です。
調理の際は、加熱し過ぎると苦みが出るので注意しましょう。
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にんにく
滋養強壮のため昔から食べられているにんにくも、病み上がりに適した食材です。
特に、にんにくに含まれるアリシンという成分は、様々な効能があります。
[box type=”kakomi” color=”pink” title=”アリシンの効能” icon=”fas fa-exclamation-circle”]
- 食欲増進
- 疲労回復
- 抗菌、殺菌および解毒
- 血糖値を抑制
- 活性酸素を除去
- 血流を正常化
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このアリシンは、にんにく特有のニオイの源です。ネギなどにも含まれます。
ただし、アリシンはにんにく自体には含まれていません。
にんにくに含まれているのはアリシンの素となるアリインという成分です。
アリシンは、にんにくを刻んだりすりおろした際に、アリインを含む細胞が壊れ、同じくにんにくに含まれるアリナーゼという酵素と反応して生成される成分なのです。
アリナーゼは熱に弱いので、にんにくを食べる場合は生のものをすり下ろして食べてください。
アリシンの副作用
ただし、アリシンの抗菌・殺菌作用は強力なため、ビフィズス菌やビタミンを生産するような善玉菌も殺してしまうので、食べすぎには注意しましょう。
しょうが
しょうがの独特な香りと辛みの素である「ジンゲロール」という成分には、血行を良くし、代謝をアップさせ、身体を温める効果があります。
しょうがには胃を健康にする健胃作用があり、消化を助けてくれるので、胃が弱っている病み上がりにピッタリです。
それから、肉と一緒に料理することで、肉の匂いを抑え、肉をやわらかくして消化を助けてくれるのでおすすめです。
豚肉
ビタミンB1を多く含む豚肉は、お肉の中でも疲労回復に良いとされています。
また、豚肉のたんぱく質を構成しているアミノ酸は、免疫細胞を活性化し、風邪を予防する効果もあります。
弱って体力が落ちているときに最適の食材です。
一方で、豚肉を食べ過ぎると今度はピルビン酸という疲労物質が増えてしまいます。
この問題を解決してくれるのが「クエン酸」です。
かんきつ類や梅、トマト、お酢などに多く含まれるクエン酸は、このピルビン酸を、クエン酸に変える働きがあります。
クエン酸はかんきつ類や梅、トマト、お酢などに多く含まれています。
トンカツにレモン汁をかけて食べるのは、理にかなった食べ方なんですね。
トマト
トマトに豊富に含まれるリコピンは、、β-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍もの優れた抗酸化力を持つ成分です。
活性酸素による体のダメージを防ぎ、感染症を防いでくれます。
生のトマトより加工品の方がリコピンを吸収しやすく、特にトマトジュースはリコピンの吸収率が生のトマトの3.8倍もあるのでおすすめです。
さらにトマトには、免疫力を高めるビタミンCや疲労回復効果のあるクエン酸やグルタミン酸も含まれています。
[box type=”daen” color=”pink-gray” title=”クエン酸”]
クエン酸は、抗菌・発汗作用にすぐれています。
また、唾液の分泌を促して食欲を刺激します。
上記のピルビン酸をクエン酸に変える働きもあります。
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りんご
りんごは、食物繊維やミネラル、カリウムを豊富に含んでいます。
また、りんごに含まれるペクチンという水溶性の食物繊維は、消化を促し、粘膜を保護してくれるので、弱った胃腸に効果的です。
また、クエン酸、リンゴ酸を豊富に含んでおり、疲労回復にも効果があります。
[box type=”daen” color=”pink-gray” title=”カリウム”]
カリウムは、必須栄養素であるミネラルの一種です。
カリウムの主な働きは、ナトリウムと協力し合って細胞の浸透圧を保つことです。
その他、細胞の代謝をうながし、酵素を活性化させ、神経や筋肉の動きをつかさどるという重要な働きがあります。
風邪をひくと発熱で汗をかき、汗と同時にナトリウムやカリウムも失われるので、病み上がりには補給が必要です。
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豆腐
豆腐は高タンパクで消化が良く、体力低下時の栄養補給に最適です。
胃腸やのどに負担をかけずに活力源となってくれるので、風邪の最中にも病み上がりにもぴったりの食材です。
かぶ
かぶは、炭水化物の消化を助ける酵素のジアスターゼや、デンプンを分解する酵素のアミラーゼを豊富に含む食材です。
[box type=”daen” color=”pink-gray” title=”アミラーゼ”]
アミラーゼは、胃腸の働きを助け、胸やけや胃もたれを防ぐ効果があります。
アミラーゼが不足すると、食べたものの消化や吸収に影響が出ます。
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さつまいも
さつまいもは、食物繊維が豊富で腸の動きを活発にしてくれます。
健康増進によい栄養素がさまざま含まれており、食欲がない時におすすめの食材です。
さつまいもは水溶性・不溶性両方の食物繊維を含んでいます。
水溶性食物繊維 | コレステロール値を低下させる作用 |
不溶性食物繊維 | 腸壁を刺激し、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進し排便をうながす |
バナナ
バナナは利尿効果のあるカリウムを豊富に含み、体のなかの毒素を出すためによい食材です。
みかん
みかんに多く含まれるビタミンCは、抗酸化作用があり免疫力の維持に欠かせません。
ビタミンCは高熱により大量に消費されてしまうため、みかんは風邪をひいた際に積極的に摂りたい食品です。
また、みかんもバナナ同様にカリウムを豊富に含むので利尿効果があります。
病み上がりにおすすめしない食べ物
極端に辛いものや脂っこいものは体に負担をかけるので、体調が回復するまでしばらくは控えたほうがいいでしょう。
また、お酒は免疫力を低下させ、薬の作用や副作用に影響します。
特にインフルエンザに感染した場合は、既に肝臓などの臓器に負担がかかっているので、余計に肝臓に負担をかけるアルコールの摂取は避けましょう。
どうしても飲みたい、という場合はごく少量にとどめ、深酒をするようなことは避けてください。
タバコに関しても、気道に刺激を与え、息苦しさを招くなど害があるので、病み上がりには控えるべきでしょう。
まとめ
以上、風邪の治りかけにおすすめの食材を紹介しました。
一番のおすすめの春菊は、栽培が比較的簡単なので、家庭菜園で育ててみるのも楽しいかもしれません。
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