先日、母親(72歳)宛に架空請求はがきが届きました。
晒(さら)しますので、どのようなものか見てください。
(表面)
(裏面)
官製はがきで、「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」というところからの通達という体で送られてきました。
この法務省管轄支局 国民訴訟通達センターとは架空の組織です。
ハガキは5月7日に届き、翌日の8日が裁判取り下げ最終期日となっているので、考える間を与えず短期決戦で訴訟をチラつかせてひっかけようという作戦ですね。
裏面には住所と名前しか書いてありません。
公共機関からの通達って官製はがきで届くものなんでしょうか?
ボールペンで手書きで引かれている線も、元々ハガキに書いてあったものです。
これでぐっとそれっぽい雰囲気が出てますね。
1枚1枚人の手をかけて作ってます。
少なくとも詐欺師は、母親の住所を知っていたことになります。
母親がしょっちゅう注文している、Amazonのマケプレとヤフオクが怪しいですね。
試しに電話してみた
ハガキに書いてある番号にとつってみました。
詐欺師:「はい、国民訴訟通達センターです」
私:「もしもし、変なハガキが届いたんですが」
詐欺師:(ブチっ)「ツーーーツーーーー」
失敗しました…
その後は着信が拒否されました。
いきなり「警察だ~~~」って大声で叫んで、相手の脳味噌に警察のがさ入れを刷り込んでやればよかった。
果たしてこんな詐欺で金儲けできるのか?
官製はがきは金券ショップで2円引きで買ったとしても、1件出すのに60円はかかります。
数百から数千件出すとしても、ターゲットをよくよく絞らないとコストがかかってしょうがないですよね。
よっぽどのアホか痴ほう気味の人じゃないとひっかかることはないと思いますが、1,000人のうち一人ひっかかるとしても、
1回につき、被害額が20万円を想定して計算すると、
60円×ハガキ1,000枚=60,000円
電話も引かなきゃならないですね。
固定電話のコストは着信が主体だと思うので(実際は折り返す場合もあるようです)、通話料はかからないとして3,000円(適当)
※毎回ハガキ一式送るたびに、足がつかないように電話番号を変える必要があるので、そういった手間もかかりますね。
それに電話番のバイトも2人~3人は雇う必要があるでしょう。
800円×2人×時給3,000円×9時間×3日=86,400円(1日)
※リスクが高いので、少なくとも時給3,000円は払わないと。
計:60,000円 + 86,400円 + 3,000円 = 146,700円
収益は20,000万円 - 146,700円 = 53,300円
副業として個人でやってるのかわかりませんが、リスクのわりに儲けがこれじゃ話にならないですよね。
あるいはもっと組織的に大規模にやってるんでしょうか?
実際、全国的に被害が報告されているようですが…
法務省「はがき,メールなどにより不特定多数の人に対し,身に覚えのない請求をする悪質な事例が増えています。」
追伸
後日、母親がハガキを持って警察に行き話を聞いてきた。
警察によると、市内で同じようなハガキの報告が7件あったとのこと。
全てのハガキが女性の高齢者に宛てられたものだったそうです。
中にはAmazonからの通知を装ったハガキもあるとのこと。
親がAmazonやヤフオクのヘビーユーザーの場合は、注意が必要ですね。
終りに:今後もなくなりそうもない
ニュースでオレオレ詐欺の被害についての報道はよく見ますが、それに比べて捕まったというニュースはあまり見ないですよね。
匿名で不特定多数をターゲットにする詐欺は、リスクに比べて上りが良いのでしょうか。
こういった詐欺は手法を少しずつ変えながら今後も続きそうです。
というわけで皆さん気を付けましょう!
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